月村了衞「土漠の花」★★★★
ソマリアで墜落したヘリの捜索救助活動に従事した陸上自衛隊12人が、石油の利権を巡る部族間の争いに巻き込まれ、想像を絶する自然の猛威の中で、国際テロリストとの壮絶な戦闘を繰り広げる軍事小説。アッという間の一気読み。自衛隊の海外派遣など、純粋にエンターテイメントとして楽しめないのが辛い。そのうえ、主人公の個性がいちばん薄くて、ニュートラルなのが気になった。物語の展開がしやすかったからか。逆にいえば、国際社会の中の日本人を象徴しているとも言えなくもないが。
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