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2008年12月 9日 (火)

結城浩「数学ガール」★★★★★

高校2年生の僕と、同級生のミルカ、後輩の元気少女テトラの3人が織りなす青春の一コマ。一見ほほえましい青春物語のように見えるが、「オイラー生誕300年に捧ぐ魅惑の数学物語」と副題が付いているように、3人がそれぞれの思いを秘めて、数学にチャレンジする真面目な物語である。
最初はフィボナッチ数列で、楽しく読んでいたが、カタラン数やテイラー展開、バーゼル問題と話が進むにつれ、さすが息がきれてきた。頭をフル稼働させないと、なかなかついていけない。それにしても、連続微分を使ったsinXのテイラー展開はワクワクした。最後の解の美しいこと!初めて木村多江を見たときのように、しばらくその美しさに見とれていた。数式で美しいって、あるんだな。
もともとこの小説は、Webで公開してきたものを出版化したものだそうだ。僕を慕うテトラ、ミルカに憧れる僕、そしてツンデレ(?)のミルカ。3人の関係も添え物として描かれるが、数式でめいっぱいになった頭にはちょうどいい休息になった。次作「数学ガール フェルマーの定理」がすでに出版されているようなので、チャレンジしてみようか。

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