佐々木譲「うたう警官」★★★★
佐々木譲の北海道警シリーズ一作目。文庫では「笑う警官」と題名が変わっている。今年映画化が予定されているが、そちらのほうの題名も「笑う警官」だそうだ。マルティン・ベックシリーズの同じ題名の小説があるのに。出来からいえばマルティン・ベックシリーズの方がもちろんいい。
二作目の「警察庁から来た男」を先に読んで気に入ったが、こちらもスピーディな展開で面白かった。東直己の畝原シリーズと雰囲気がどことなく似ている。札幌や薄野という文中のことばでイメージが喚起されるのか、それとも2人の作者の描写がそれぞれ的確なので、同じ雰囲気を感じるのか、どうだろう。2人とも北海道生まれで、北海道在住ということだが。
うたうとは、内部告発するという意味だそうだ。道警の内部不正をうたおうとして、昔つきあっていた婦人警官殺害の汚名を着せられた警官を救うため、同僚が真犯人を割り出していく物語。タイムリミットが迫る中の真犯人探しはかなりワクワクする。それにしても、射殺命令まで出すとは話として行き過ぎ?まあ、組織を守るためにそのくらいのことはやりかねないよ、今の日本人は。
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